社会保険制度

在宅ワーカーと社会保険

在宅ワークには直接雇用とフリーランス、2つの働き方がありますが、ここではフリーランスでお仕事をされる方向けにご説明いたします。

社会保険制度とは

日々の生活の中で、老齢や障害、失業などにより、自分の努力だけでは生活を維持できない場合もあります。そのような場合に、国民がお互いに支え合うことで安心して生活が送れるようにしましょうというのが、社会保険の仕組みです。

一般の会社員と、フリーランス(個人事業主)では、加入できる社会保険の種類が異なってきます。ご主人の扶養に入っている場合は別ですが、フリーランスでお仕事をする場合は下記赤文字の保険のみに加入する事になります。(強制加入です)

労災も特別枠の様なかたちで加入することは可能ですが、危険なお仕事でなければ未加入で問題ないでしょう。

年金:国民年金・厚生年金保険
医療:国民健康保険・健康保険・介護保険(40歳以上)
雇用:雇用保険
労働災害:労働者災害補償保険

 

社会保険の内容を見てみよう

国民年金

皆様ご存知の、強制加入の年金制度です。

老齢年金以外にも、障害の状態となった際に受け取る事ができる障害年金や、配偶者が死亡した場合に受け取る事が出来る遺族年金などもあります。どの年金も受け取るためには一定の条件が必要です。

ここで難しい話をしても面白くないので、テレコ世代が気になるポイントをまとめました。

1、産前産後の一定期間、国民年金保険料が免除に

平成31年4月から国民年金第1号被保険者の産前産後の一定期間、国民年金保険料が免除される事になりました。第1号被保険者とは、ご主人の扶養に入らずに、自らも国民年金保険料を支払っている方の事です。

フリーランスの場合は健康保険、雇用保険に未加入なので産休育休の手当は受けることが出来ません。国民年金の保険料が免除になるだけでもありがたいですね。免除される期間は出産予定日又は出産日が属する月の前月から4か月間です。

国民年金説明

届け出は、出産予定日の6か月前から提出可能です。母子手帳の受け取りの際にアナウンスしてくださるかもしれませんが、忘れずに届け出しておきましょう。

年金機構公式サイト

 

2、前払いの制度を活用しましょう

国民年金保険料は前払い(前納)する事が出来ます。家計に余裕があれば、ぜひ2年分まとめて前納しましょう。

現金、口座振替、クレジットカードなどで支払いが可能ですが、一番お得なのは口座振替で2年前納してしまう方法です。(クレジットカードのポイントによってはクレジットカードの方がお得です)

2年前納は家計的に難しい、という方も、6ヶ月前納、1年前納など期間を選ぶ事も出来ますので、一度ご主人と納付方法を検討されてみてはいかがでしょうか。

2、払えない場合は免除申請しましょう

収入の減少や失業等により、支払う事が難しい場合には未納のままにするのではなく、きちんと免除の申請をしておきましょう。「未納」だと、その期間の年金はもらえませんが、「免除」ですと、条件を満たせば一定額は年金の額を計算する際にプラスされますし、受給要件(年金を受給できる権利があるかどうかの要件)を見る際に、免除期間は算入することが出来ます。

支払えない場合は未納ではなく免除申請することをお忘れなく。

 

国民健康保険

強制加入の医療保険制度です。フリーランスで働いていて、ご主人の扶養から外れる事になった場合には、こちらに加入します。被用者医療保険(会社員の方が加入する健康保険)とは違い、全額自分で払う必要があります。

 

介護保険

40歳以上の方は強制加入です。40歳以上65歳未満でも、加齢が原因の疾病などで介護が必要になると認定を受けることが出来ます。窓口は国民健康保険と同じく市町村になります。

現在、介護保険料は全国平均で5,800円程度ですが、団塊の世代の方が全て75歳以上になる2025年には8,000円を超える見込みです。家計に与える影響も大きいですね。

 

フリーランスの方が加入出来ない保険

健康保険、厚生年金保険には加入することが出来ません。しかし、現在会社に勤めていて、今後フリーランスに転向しようとお考えの方は、健康保険の任意継続被保険者として、退職後2年間加入することが出来ます。任意継続被保険者になる事で、国民健康保険に切り替えるよりも保険料が安くなる場合もあります。

雇用保険にも加入することが出来ません。フリーランスの場合は、離職や失業という概念がありません。病気や怪我で仕事が出来なくなった場合に備えるのであれば、収入補償付きの民間の保険もおすすめです。

 

さいごに

最後まで私の下手な説明を読んでくださった方へ。もしもこの記事を読んで少しでも社会保険制度に興味を持っていただけたならとても嬉しく思います。

私自身も、スマホで自分の育休について調べていて、そこから社会保険制度に興味を持つようになり、そのまま社会保険労務士試験に合格しました。

社会保険に限らず、正しい知識を得るということはとても重要だと思っています。自分が支払っている保険料や税金がどの様に人の役に立っているのか。そして、今度は自分自身がどの様な給付を受ける権利を有しているのか。妊娠出産、育児や介護、老齢など、長い長い人生の中で時には経済的に苦しい場面もあります。

そのときに「得をする」知識ではなく、「損をしない」知識を身に着けていただきたいと思います。

最後に、社労士試験にご興味がある方はぜひコメント欄もしくはcontactページからお声がけくださいね。

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